ノキア、松下製電池パック交換へ──過熱の恐れ、全世界4600万個対象

ノキアは、同社製携帯の一部に使用する松下電池工業製バッテリーに過熱の恐れがあると告知。ユーザーに注意を呼びかけるとともに、対象バッテリーパックの交換を行う。対象は全世界で約4500万個。国内ではドコモの「NM850iG」やソフトバンクモバイル(旧ボーダフォンの)「702NK」「804NK」などに使用される。

 Nokiaは8月15日、同社製端末に使用する松下電池工業製バッテリーパック「BL-5C」に過熱の恐れ がある事象に関する続報を発表。Nokiaと松下電池工業は対象約4500万個(国内では約16万個)の交換を行う。

 この事象は、2005年12月から2006年11月に製造された同社ブランドのバッテリーパック「BL-5C」が、充電中にショートにより加熱し、電池パックが外れる可能性があるというもの。BL-5Cはこれまで3億個以上が製造され、全世界で約100件、国内で2件の過熱によるユーザー報告があった。同事象により人的損傷はないものの、国内で床の一部が焦げるなどの物的破損が発生した。


http://www.nokia.com/batteryreplacement/en/


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SONYがDELLに供給していたバッテリーも以前リコールが発生したが、ここに来て優秀だと思われていた日本のケータイ部品メーカーに大きな打撃が生じた。


日本のケータイを取り巻く産業はかなり好調で、世界的な需要に支えられ成長、安定供給してきた。ここのところ移動機製造メーカーは世界に比べ云々という話題が多かったが、部品メーカーは対照的に成長を維持してきた。


この問題は根幹的な問題であり、日本の製品品質問題に波及しかねない。ここ5年くらいで、価格競争力のプレッシャーから、設計は日本、開発は日米あるいはインド・中国、製造は海外(特に東欧や中国、アジア)という世界分散体制が流れになってきている。(一方で、シャープの亀山やHPの秋川生産をアピールする流れも出てきたが。。。)


このような状況で日本が誇る品質管理、品質保証に綻びが出てきた感じがある。品質管理の不行き届きのよって生じる製品品質の問題も増えてきている。ユニクロ方式は害の少ない洋服や単純なものであれば影響は少ないが、社会的に重要な位置を占めるようになってきたケータイではその影響は深刻だ。


これから信頼、信用を取り戻すために、松下電池は既に出荷したものに対しては回収し、ユーザに危険を与えないよう誠心誠意を持って対処すべきだ。また同時に、原因究明、問題解析、品質改善、検査体制改善に真摯に取り組む必要がある。