YouTube対抗馬の本命か--世界初のビデオマーケットプレイスをうたうJalipo

尾本香里(編集部) by CNET Japan

2007/04/17 21:24





 英国の新興企業Jalipoが4月12日、テレビやオンラインビデオを売買するマーケットプレイスのベータ版 を発表した。

 同社はプレスリリース で、これがテレビやビデオコンテンツを配信するための世界初のマーケットプレイスであると述べている。すでに、BBCやAl Jazeebra International、Bloomberg、France 24などがコンテンツを提供している。

画像の説明コンテンツはカテゴリ別に整理されている。こちらはニュースカテゴリを選択したところ。

 テレビ放送局などのコンテンツプロバイダは同サイトに番組などを提供する際に、価格や公開する時間、国などを指定できる。一方のユーザーはPCを使いながら、映像をオンデマンドで視聴することが可能。料金はプリペイド方式で、視聴した時間に応じて課金される。具体的にはJ:Creditという単位の仮想通貨をクレジットカードなどで購入する仕組みになっており、1000クレジットあたり10ドルで販売されている。コンテンツごとに複数のビットレートのファイルが用意されており、ユーザーは接続環境や仮想通貨の残高に応じたものを選択することができる。


 Jalipoの会長を務めるChris Deering氏は、かつてSony Europeのプレジデントを務めていた人物。同氏はプレスリリースのなかで「Jalipoの洗練された、オープンマーケットのアプローチのおかげで、コンテンツオーナーたちは世界へのコンテンツ配信を完全にコントロールできるようになる。これはかつてないことだ」と述べている。


 Jalipoでは、4年の歳月をかけて開発したシステムを、ビデオストリーミングとWeb 2.0技術、デジタル著作権管理技術、シンジケーション技術、マイクロペイメント技術を組み合わせたものだと、うたっている。

 海外メディアの多くは、同サイトをYouTube対抗サイト、ハイエンド版YouTubeと報じている。YouTubeでは視聴者が自分のブログにYouTube動画を貼り付けられる機能を提供し人気を博しているが、Jalipoのサイトでも、今後こうした機能を実装する予定。

画像の説明

Bloomberg Europeのコンテンツを再生したところ。





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YouTubeの対抗馬としてメディアが推している。

これは、コンテンツオーナーたちがYouTubeのように著作権を侵害されない形でコンテンツを供給している点、すなわちJalipoはこちら側の枠組みを崩さず、こちら側からコントロール・マネージされた形での配信なので評価されているのだろう。

あちら側のYouTubeはあくまでも自然発生的にコンテンツオーナーの意思・了解を問わず、不法・悪意のあるインターネットユーザも含んだプラットフォームであり、あくまでも利用者の善意が前提である。

モデル的には広告主体による無料か、マイクロペイメントによる視聴ベースの有料か、どちらがいいかわからないが、基本的には無料のほうが、視聴者(ビュワー)にはいいのだろう。

しかしコンテンツ的にはしっかりとした製作者がオーナーが作るコンテンツの方が中身は充実しているのだろう。

両者の行方(成否)がモデルを左右していくのだろう。